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機械翻訳エンジンと生成AIを比較!翻訳性能の違いを徹底解説

今回は、まだまだ熱量冷めやらない生成AIと機械翻訳エンジン(AI翻訳エンジン)の翻訳性能の差を見ていきたいと思います。

近年、機械翻訳エンジンの精度は飛躍的に向上し、ChatGPTやGemini、Claudeといった生成AIも登場してきました。これらの技術は翻訳業務に恩恵をもたらしていますが、翻訳性能において「生成AIと機械翻訳エンジンどちらがいいんだろう…」「翻訳精度に違いがあるのかな…」等々、お悩みの方も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、翻訳会社の営業として現状を比較しながら、機械翻訳エンジンと生成AIの翻訳機能に関する違いについて探っていきます。終盤では川村インターナショナルが考える現状の「最適解」についても言及していますので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。なお、生成AIに関して、今回はChatGPTを前提としていることにご留意ください。

目次[非表示]

  1. 1.翻訳性能における機械翻訳とChatGPTの違いとは?
  2. 2.翻訳精度
    1. 2.1.①「専門性」
    2. 2.2.②「正確性」
    3. 2.3.③「再現性」
  3. 3.文体
  4. 4.処理速度
  5. 5.コストパフォーマンス
  6. 6.機械翻訳活用における最適解「機械翻訳+(MTPE)」
  7. 7.川村インターナショナルのサービス

翻訳性能における機械翻訳とChatGPTの違いとは?

どちらも多言語に対応しており、日常的なやり取りや簡単なビジネス上のやり取りであれば、軽微な修正ないしは修正なくそのまま使えることもしばしば。一から翻訳を行う必要がないので、時間短縮はもちろんコスト削減にもつながります。

ではそんな中で、翻訳性能における機械翻訳エンジンとChatGPTの違いに関してみていきましょう。ここでは「翻訳精度」「文体」「処理速度」「コストパフォーマンス」の4点に絞ってみていきたいと思います。


翻訳精度

翻訳精度に関しては、どちらも精度は高いと言えます。しかし文書内容の専門性、求められる正確性や品質にもよりますが、翻訳に特化した学習をしているという点がAI翻訳にはあります。今回は「専門性」「正確性」「再現性」の3つの観点から見てみましょう。

①「専門性」

ChatGPTは通常、技術用語や専門用語を無理に使用せず、一般向けの回答を出力します。ただし、プロンプト(ChatGPTに対する指示や命令)で用語や分野を指定することで、ある程度の対応が可能です。しかしながら、プロンプトを使いこなすためにはある程度の慣れが必要です。

一方で、機械翻訳エンジンには特許や金融など、各分野に特化したエンジンが元から存在し、さらにエンジンのカスタマイズも可能です。そのため、特定の分野の翻訳に関しては、ChatGPTよりも強みがあると言えます。

②「正確性」

ChatGPTは自然な文章を生成することに特化しており、質問に対する答えという形で学習されているため、自然な文章を返してくれます。

一方、機械翻訳エンジンも基本的には同じ仕組みで動作していますが、こちらは翻訳に特化した学習を行っているため、正確性においてはAI翻訳エンジンの方が優れていると言えるでしょう。

③「再現性」

ChatGPTは、同じ文章を入力しても異なる翻訳が生成されることがあり、再現性が低いです。そのため、翻訳の一貫性に欠けることがあります。1回のみの翻訳であれば問題ないですが、繰り返し使用する文章や類似した内容の文章を翻訳する際には、不統一が目立つことがあるため注意が必要です。

一方で、機械翻訳エンジンはエンジンのアップデートが行われるまで、同じ文章であれば同じ翻訳結果が得られます。とはいえ、機械翻訳も原文の単語が若干異なると、大きく異なる翻訳を生成する場合があります。それでも、同じ表現の繰り返しや定型文が多いドキュメントにおいては、機械翻訳の方がChatGPTよりも使い勝手が良いと言えるでしょう。


文体

次に文体ですが、ChatGPTは先程も少し触れたように対話型AIモデルであり、自然な文章を生成することに特化しています。しかし、ChatGPTであれば事前に文体を指定するプロンプトを用いることで、文章全体の文体も柔軟にコントロールすることができます。

一方、機械翻訳エンジンでは、エンジンの種類にもよりますが、文体は比較的かたいものになりがちです。そのため、この点においてはプロンプトを使いこなすことができればChatGPTの方が、利用シーンに合わせて柔軟な対応が可能になるでしょう。


処理速度

次に処理速度について見ていきますが、これに関しては機械翻訳エンジンに軍配があがります。
ChatGPTは新しいモデル(執筆時点ではGPT-4o)になるたびに処理速度が早くなったといわれますが、翻訳機能に関していえば、まだまだ早いとはいえません。これは翻訳にかかる処理時間が長いことはもちろん、先に述べたプロンプトをどう入力するかの検討も考慮するとそれなりの時間がかかってしまうことを意味します。

一方で、機械翻訳エンジンであれば少量の翻訳は一瞬、ボリュームがあるものでも数十秒から数分で処理が可能です。弊社のソリューション「LDX hub」※を活用して、検証してみたところ文字量によります(文字量が多いほど時間がかかります)が、機械翻訳の処理速度に対してChatGPTは約2~8倍の時間を要しました。

※LDX hubは川村インターナショナルが提供する言語サービスの課題を解決するための豊富なAPI群です。


コストパフォーマンス

最後は技術的な性能ではありませんが、コストパフォーマンスについて見ていきます。これに関しても「処理速度」と同様に機械翻訳エンジンに軍配があがります。

ChatGPTは、弊社調べですが現状ではややMTより高くなる傾向があり、費用がいくらかかるかわかりにくいというデメリットがあります。この理由としては、ChatGPTは従量課金であり、処理するテキスト量によって費用が決まるのですが、このテキスト量を計測する単位が「トークン」であることが挙げられます。執筆時点では「1,000トークンあたり、いくら」という設定がされていますが、このいくらの部分は利用するChatGPTのモデルによって異なり、テキストの量は、Input(入力)とOutput(出力)の両方に対して、課金されるため、ボリュームがある文書を翻訳しようとするとそれ相応のテキスト量を処理することになってしまいます。

一方で機械翻訳エンジンは、従量課金のものもありますがその場合でも文字数ベースであることがほとんどなのでシンプルですし、定額制で文字数無制限に利用できるものも多くあります。少し紹介させていただくと、弊社の「XMAT(トランスマット)」は定額制であり、現状8つの機械翻訳エンジンを文字数無制限でご利用いただくことが可能です。

さて、ここまで機械翻訳エンジンとChatGPTの翻訳性能に関して、「翻訳精度」「文体」「コスト」「処理速度」の4点に絞ってみてきましたが、いかがだったでしょうか?翻訳性能や大量の文章における処理速度でみると機械翻訳エンジンの方が利便性に長けているといえそうですが、例えば文章の作成や要約、校正、短い文章の翻訳といった作業に関しては生成AIもかなり有効に活用できます。 ChatGPTの活用法について詳しくは「ChatGPT:翻訳での活用方法 | LDX lab」をご覧ください。


機械翻訳活用における最適解「機械翻訳+(MTPE)」

しかしながら、まだまだ翻訳者による人手の作業がなくなるわけではありません。当然ながら専門性が高い文章や高品質を求める案件であれば、人手翻訳に軍配が上がりますし、機械翻訳の精度が向上しているといっても誤訳や訳抜けといった各種のエラー発生の根本的な解決には至っていません。そのため、機械翻訳を活用する場合は人手の修正(ポストエディット)が必須であり、既に機械翻訳をご活用されてる方はご自身で訳文を修正されたりもしているでしょう。

ただ、機械翻訳のエラーを修正している暇がないという方が多いのも事実であり、そういった方のニーズに応えるために弊社では「MTPE(機械翻訳+ポストエディット)」というサービスを提供しています。MTPEは機械翻訳のアウトプットを活用しつつ、各種エラーを人手で修正(ポストエディット)するサービスとなり、これに関しては姉妹記事「機械翻訳vs人手翻訳⇒機械翻訳+人手翻訳」で詳しく述べているので、興味のある方は是非ご覧ください。特に多言語含むマニュアル翻訳に携わっている方は必見です。

  ポストエディットサービス | 翻訳会社川村インターナショナル 年間1000万文字・500万ワード以上のポストエディット対応実績と、豊富な経験・ノウハウに基づき、納得の翻訳品質・費用・納期(QCD)の最適化を実現。プロの手による編集と充実したサポートで安心の「機械翻訳+ポストエディット」を提供します。<無償サンプル作成・お見積もり無料> 翻訳会社川村インターナショナル


川村インターナショナルのサービス

XMATでは翻訳文字数を気にせず、高品質かつ安全な機械翻訳を提供することができます。川村インターナショナルでは機械翻訳サービスの提供だけではなく、より円滑な翻訳業務ができるよう、様々なご提案をさせて頂いています。翻訳の課題をお持ちの法人・個人のお客様はお気軽にお問い合わせください。 

  AI翻訳活用クラウドサービスXMAT®(トランスマット)|機械翻訳・AIの有効活用 言語データのデジタル変革を実現【LDX lab】 XMAT®(トランスマット)は、ブラウザ上でAI翻訳を「簡単・安全」に活用できる、AI翻訳活用サービスです。<OpenAI連携により業務効率化を加速>5,500円/月で文字数無制限で利用可能!ドラッグ&ドロップするだけで様々な形式のファイルを翻訳できます。専門用語にも対応。原文の修正と翻訳された訳文の後編集をエディター画面で行うことも可能です。 LDX lab
  お問い合わせ|機械翻訳・AIの有効活用 言語データのデジタル変革を実現【LDX lab】 LDX Labへのお問い合わせは当ページより承ります。LDX Labのご提供するソリューションや料金など、ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。後ほど担当者よりご連絡させていただきます。 LDX lab


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川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

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