「XMAT®」のAIを活用した「翻訳支援システム」で特許を取得いたしました。
翻訳業務における効率化と品質向上を目的とした「翻訳支援システムおよび翻訳支援方法」に関する特許を取得しました。
■技術の背景と課題
従来の翻訳支援システムでは、用語統一や誤訳修正などの部分的な支援に留まり、ポストエディット全体の効率化は十分に達成されていませんでした。
特に、大規模な翻訳案件では、訳文の不統一や文法エラー、タグの位置ずれなどの確認に多くの時間を要し、翻訳者の負担となっていました。
■本特許技術の特長
今回取得した特許技術では、生成AIを用いて翻訳文の修正を自動的に繰り返す仕組みを導入。
AIが修正を行うたびに訳文の品質を評価し、修正が不要と判断されるまでプロセスを継続します。
これにより、従来の「人による確認・修正」の手間を最小化し、翻訳業務全体のスループットを向上させます。
 
主な特長は以下の通りです。
 
1.生成AIによる自動修正の繰り返し最適化
 AIが訳文の修正を段階的に繰り返し、一定の品質基準に達するまで改善を継続。
 
2.修正内容の自動説明機能
 AIが行った修正箇所について、日本語など指定言語で説明を生成。翻訳者が容易に変更内容を理解可能。
 
3.タグ情報・文構造の保持
 HTMLやXLIFFなどのタグ構造を保持したまま修正を行い、文書の整合性を維持。
 
4.サブセット処理による並列高速化
 翻訳文を部分的に分割して同時処理することで、全体の処理時間を短縮。
 
5.ポストエディットの効率化を実証
 同特許内の図7(修正回数と精度の関係)によると、AIによる6回程度の修正で最終精度の約90%に到達。
■期待される効果
本技術の導入により、翻訳業務のコスト削減・納期短縮・品質安定化が同時に実現します。
特に、企業の多言語展開において求められる「スピード」と「品質」の両立を支援することが可能です。
また、翻訳者は修正提案や説明を参照しながら確認するだけでよく、より高度な判断やクリエイティブな翻訳に集中できるようになります。
■今後の展開
川村インターナショナルは、今回の特許技術を自社の翻訳支援ツールおよびクラウド型翻訳プラットフォームに順次実装予定です。
さらに、他社翻訳システムとの連携やAPI提供を視野に入れ、業界全体の生産性向上を推進していきます。
■特許情報
- 特許番号:特許第〇〇〇〇〇〇号(出願番号:特願2025-067355)
- 発明の名称:翻訳支援システム及び翻訳支援方法
- 出願人:株式会社川村インターナショナル
- 発明者:星井 智、森口 功造、森 秀樹
- 出願日:2025年4月16日
- 登録日:2025年10月


