接続検証レポート #003

Copilot Studio に
LDX hub MCP を接続する

Microsoft Copilot Studio の既存エージェントに LDX hub の MCP サーバーを接続し、StructFlow による議事録の構造化抽出をエンドツーエンドで動作検証した記録。

著者 — 森口功造(川村インターナショナル) 公開日 — 2026.05.08 所要時間 — 約2時間
26
利用可能ツール数
100%
抽出精度
4
抽出カテゴリ
本番接続確認
背景と目的

なぜ Copilot Studio × MCP なのか

川村インターナショナルでは社内の生成 AI 活用推進の一環として、Microsoft Copilot Studio と LDX hub の MCP サーバーを連携させる検証を実施した。目的は「議事録アシスタント」エージェントに LDX hub の StructFlow(構造化データ抽出)機能を組み込み、会議の議事録テキストから自動でタスク・決定事項・発言まとめ・アジェンダを抽出できるかを確かめることだ。

アーキテクチャ

データの流れ

議事録テキスト
ユーザー入力
議事録アシスタント
Copilot Studio Agent
MCP tools/call
Streamable HTTP
StructFlow Engine
LDX hub / 非同期ジョブ
構造化 JSON
整形して返答
Step 1

エンドポイントの事前確認

接続を試みる前に、LDX hub の MCP エンドポイントが Copilot Studio の要件を満たしているかを PowerShell で確認した。

⚠️ 重要:SSE は 2025年8月以降サポート終了 Copilot Studio は SSE トランスポートを廃止し、Streamable HTTP のみをサポートする。接続前にエンドポイントが対応プロトコルを確認することが必須。
PowerShell — Streamable HTTP 対応確認
# initialize リクエストを送り、プロトコルバージョンを確認する
$headers = @{
    "Content-Type"  = "application/json"
    "Accept"        = "application/json, text/event-stream"
    "Authorization" = "Bearer YOUR_API_KEY"
}
$body = '{"jsonrpc":"2.0","id":1,"method":"initialize",
  "params":{"protocolVersion":"2025-03-26",
  "capabilities":{},"clientInfo":{"name":"test","version":"1.0"}}}'

$r = Invoke-WebRequest -UseBasicParsing `
     -Uri "https://gw.ldxhub.io/mcp" `
     -Method POST -Headers $headers -Body $body

Write-Host "Status:" $r.StatusCode          # → 200
Write-Host "Content-Type:" $r.Headers["Content-Type"]  # → application/json
Write-Host "Body:" $r.Content             # → protocolVersion: 2025-03-26, tools: [26件]
結果:Streamable HTTP 対応を確認 HTTP 200 / application/json / protocolVersion: 2025-03-26 — 26 個のツール(createStructFlowJob, getStructFlowJob ほか)が返ってきた。Copilot Studio での接続が可能であることを確認。
Step 2

Copilot Studio での MCP 接続設定

1

Generative Orchestration を確認

Agent 設定 → 生成 AI → 「はい、利用できるツールやナレッジを適宜使用し、応答を動的にします。」を選択。これが OFF だと MCP ツールは一切呼び出されない。

2

ツールを追加 → 新規追加 MCP

Agent の「ツール」タブ →「ツールを追加する」→「新規追加 MCP」を選択。ウィザードにサーバー名・説明・URL を入力する。

3

API Key に「Bearer 」プレフィックスを付けて入力(重要)

認証タイプを「API Key」に設定し、入力欄には値だけでなく Bearer {APIキー} の形で入力する。値だけ入力すると 403 エラーになる。

ハマりポイント:Bearer プレフィックス Copilot Studio の API Key 認証フィールドは Authorization ヘッダーの値をそのまま送信する仕様。Bearer を先頭につけないと LDX hub 側で認証エラーになる。
設定項目 入力値
Server URL https://gw.ldxhub.io/mcp
Authentication API Key
API Key 値 Bearer {APIキー} ← Bearer プレフィックス必須
Header Name Authorization
Orchestration Generative(生成的)← 必須
Step 3

議事録アシスタントへの組み込み

接続後、Agent の概要タブ「指示」欄に以下の System Prompt を設定した。StructFlow の system_prompt や example_output は Agent の LLM が実行時に自動生成するため、ここでの設定は不要。

System Prompt — 概要タブ「指示」欄
あなたは会議の議事録を構造化するアシスタントです。

ユーザーが議事録のテキストを提供したら、必ず
LDX hub MCP test ツールの createStructFlowJob を呼び出して
以下の情報を抽出してください。

抽出項目:
- タスク・アクションアイテム(担当者・期限つき)
- 決定事項
- 発言者別の発言まとめ
- 次回会議のアジェンダ候補

ジョブ作成後は getStructFlowJob で結果をポーリングし、
completed になったら結果を整形して表示してください。

出力は日本語で、見やすい表やリスト形式で返してください。
検証結果

全 4 カテゴリで正確に抽出

営業部門の月次レビュー議事録(5名参加、約600文字)をテスト入力として投入。StructFlow ジョブが実際に MCP 経由で呼び出されたことを Copilot Studio の活動ログで確認した。

タスク・アクションアイテム

担当者・期限つきで3件を正確に抽出。「5月末発注」「5/20以降フォロー」など暗黙的な期限も拾えた。

決定事項

受注実績の確認・6月目標2,200万円の確定・次回議題追加の3件を正確に抽出。

発言者別まとめ

森口・田中・鈴木・山田・佐藤の5名全員の発言を適切に要約。役割・貢献も反映。

次回アジェンダ候補

上半期振り返り・下半期計画など4件を文脈から推論して提案。明示されていない項目も含む。

MCP 経由での実行を活動ログで確認 活動ログに「LDX hub MCP — 作業しています / 初期化済み」として createStructFlowJob と getStructFlowJob の呼び出し記録が残っており、Copilot Studio 内部の LLM だけで処理されたのではなく、実際に MCP 経由で LDX hub StructFlow が実行されたことを確認した。
今日の学び

次回に活かせる 4 つのポイント

SSE 廃止を事前確認せよ
Copilot Studio は 2025年8月以降 SSE トランスポートをサポートしない。接続前に PowerShell で initialize リクエストを送り、プロトコルバージョンが 2025-03-26 であることを確認することが必須。
API Key は「Bearer 」プレフィックス必須
Copilot Studio の API Key 認証フィールドには値だけでなく「Bearer 」を先頭に付けて入力する。これを知らないと原因不明の接続エラーで時間を消費する。
Generative Orchestration を最初に確認
MCP ツールを追加しても Generative Orchestration がオフだとツールは呼び出されない。接続前の必須チェック項目。
活動ログで MCP 呼び出しを検証できる
Agent が本当に MCP ツールを呼んでいるか、それとも内部 LLM だけで処理したかは活動ログで判別可能。ツール名と「作業しています」ステータスが記録される。
次のステップ

今後の予定

今回の検証で Copilot Studio × LDX hub MCP の基本接続と StructFlow の動作を確認できた。今後は以下を予定している。

項目内容
議事録アシスタントの本番運用展開 Teams チャネルへ公開
RefineLoop の接続検証 XLIFF 翻訳品質改善機能の同様の接続確認