追加学習/追加学習モデルとは
言語資産(対訳データ)を教師データとして機械翻訳学習サービスに与えて機械学習させ、特定の分野に特化した機械翻訳モデルを作成する処理を「追加学習」と呼びます(「アダプテーション」または「再学習」と呼ばれることもあります)。追加学習の結果として作成されるのが追加学習モデルです。追加学習が完了した追加学習モデルは、本システムのQuick MT/PEおよびLAC(用語集設定モデル作成)で利用できます。
| サービス |
| 利用方法 |
追加学習モデル |
| Quick MT |
カスタム機械翻訳モデルの一覧で選択 |
○ |
| Quick PE |
カスタム機械翻訳モデルの一覧で選択 |
○ |
| カスタマイズ(LAC) |
用語集を適用して用語集設定モデルを作成 |
○ |
追加学習モデル登録画面の見方
本画面では追加学習モデルを新たに登録することができます。大まかな手順は以下のとおりです。
- 追加学習を実施する機械翻訳学習サービスを選択します。本システムでは以下の3種類の機械翻訳学習サービスを利用できます。
- Google AutoML
- みんなの自動翻訳@KI
- 追加学習に使用する教師データとして、LACで登録した言語資産を選択します。[言語資産選択] ボタンを押すと選択ウィンドウが表示されます。条件を指定して、インポートが完了している言語資産を検索することが可能です。使用する言語資産のチェックボックスをONにして [決定] ボタンを押してください。複数の言語資産を選択できます。
- 元の画面に、選択した言語資産が一覧表示されます。選択した機械翻訳学習サービスに応じて必要な項目を設定してください(後述)。※追加学習で使用しない言語資産がある場合は、左端のチェックボックスで選択してゴミ箱アイコンをクリックすると削除できます。
- 追加学習の際に、言語資産に含まれるインラインタグを削除する場合は、[言語資産のデータからインラインタグを削除] のチェックボックスをONにします。初期値はONです。OFFにすると、インラインタグを含んだデータ(原文/訳文)が教師データとして処理されるため、追加学習の精度が低下する可能性があります。
- すべての設定が完了したら [追加学習実行予約] ボタンを押してください。追加学習の実行が予約され、追加学習モデル一覧に表示されます。教師データのサイズ、機械翻訳学習サービスの負荷状況などに応じて、追加学習モデルの登録が完了するまでには数時間~数日かかる場合があります。追加学習モデルの登録が完了次第、通知メールにてお知らせいたします。
追加学習モデル登録の設定項目
選択した機械翻訳学習サービスに応じて、以下の表で「○」になっている項目を設定/選択する必要があります。各項目については表下の説明をご確認ください。
| 機械翻訳学習サービス |
種別 |
訓練方法 |
学習設定 |
原文訳文反転 |
| Google AutoML |
|
|
○ |
○ |
| みんなの自動翻訳@KI |
○ |
○ |
○ |
○ |
- 種別:みんなの自動翻訳@KIの種別(後述)
- 訓練方法:以下の3つの方法から選択できます。
- アダプテーション+EBMT:以下2、3の方法を組み合わせたハイブリッド翻訳モデルを作成します。ノイズ(誤訳や対応ずれ)がない、1万行以上の言語資産を使用する場合におすすめします。
- アダプテーション:標準的な方法です。言語資産を使用してベースモデルに追加学習を実行します。トレーニングデータと似ている文の自動翻訳精度向上が見込めますが、トレーニングデータと似ていない文の自動翻訳精度がベースモデルより低下する場合があります。ノイズがある、1万行以上の言語資産を使用する場合におすすめします。
- EBMT(Example-based Machine Translation):トレーニングデータ中に入力文(機械翻訳する原文)と似ている文がある場合には、それを参考に翻訳します。入力文との類似文がない場合はベースモデルで翻訳します。ノイズがない、1万行未満の言語資産を使用する場合におすすめします。
- 学習設定:以下の4つから設定できます。選択した機械翻訳学習サービスに応じて以下の要件がありますのでご注意ください。
- 自動設定(Google AutoMLのみ):指定された言語資産を自動で分割して、以下の3つの目的で使用します。
- トレーニング:実際の追加学習に使用します。
- 調整:過学習を防止するために使用します。
- テスト:汎化性能を評価するために使用します。
- 原文訳文反転:言語方向を反転して使用する場合はチェックボックスをONにしてください。ONにすると、たとえば言語方向が英日(en→ja)の言語資産を日英(ja→en)の教師データとして利用することになります。インポート区分が「TM生成 (AI活用)」の言語資産のみ、デフォルトでチェックボックスがONになりますのでご注意ください。これは、機械翻訳して生成した文章は訳文ではなく原文として追加学習に与えるほうが学習効果が高いという研究結果に基づいています。つまり、和文を機械翻訳して英文を生成し、日英のTMを作成した場合、そのTMは英日の追加学習に利用したほうが効果が高くなります。原文訳文反転を希望しない場合はチェックボックスをOFFにしてください。
TIPS:少ない教師データ(小さい言語資産)で効率的に追加学習するには?
「みんなの自動翻訳@KI」を使用して訓練方法で「EBMT」を選択すると、行数が少ない言語資産でも効果的に追加学習できることが分かっています。「トレーニング」、「調整」、「テスト」のすべてに同じ言語資産を指定して登録した追加学習モデルでもカスタマイズの効果がありますので、お試しください。
TIPS:対訳データにノイズがある場合に追加学習するには?
少量(1,000行程度)のノイズがない言語資産を用意し、それを「調整」に指定することで、ノイズの影響を低減できる場合があります。
TIPS:複数の追加学習モデルの性能を比較するには?
追加学習を実行する際の「テスト」に指定した言語資産を、追加学習モデルを評価する際にも使用してください。複数の「トレーニング」の言語資産での違いを評価するには、「テスト」に加えて「調整」にも同じ言語資産を指定してください。
みんなの自動翻訳@KIの種別について
みんなの自動翻訳@KIには以下8つの種別が存在します。種別ごとの特性は以下のとおりですので、目的に応じて選択してください。
- 汎用NT:分野を問わず活用できるエンジンです。
- 特許NT:特許翻訳専用に構築され、特有の用語や言い回しにも対応したエンジンです。
- 金融サービス:金融サービス関連の翻訳専用に構築され、特有の用語や言い回しにも対応したエンジンです。
- 金融NT (IR/適時開示):金融関連のうちIR/適時開示情報の翻訳専用に構築され、特有の用語や言い回しにも対応したエンジンです。
- 法令契約NT:法令契約関連の翻訳専用に構築され、特有の用語や言い回しにも対応したエンジンです。
- サイエンス:生物・医学分野を中心とした学術論文などに適した分野の翻訳専用に構築され、特有の用語や言い回しにも対応したエンジンです。
- 特許審決等:特許関連の中でも特許出願の拒絶理由通知書や審決情報等の翻訳向けに構築され、特有の用語や言い回しにも対応したエンジンです。
- ニュース:新語、新トピックや時事の話題を含むニュースの翻訳向けに構築され、特有の用語や言い回しにも対応したエンジンです。
カスタマイズクレジット(CC)について
- カスタマイズクレジット(CC)はLACのカスタム機械翻訳メニューで追加学習モデルを作成する際に必要になります。契約プランに応じて所定のCCが付与されるほか、有償オプションをご契約いただくことで追加付与されます。ご希望の場合はサービスメニューの [組織管理] タイル ➡ 組織管理メニュー ➡ 請求情報詳細画面 [プランや上限数の変更はこちら] ボタンからXMATサポートの問い合わせ申込フォーム(https://ldxlab.io/xmat_support)でお問い合わせいただくか、弊社の営業担当者までお知らせください。
- カスタマイズクレジットの付与/消費履歴は、請求情報詳細画面 [カスタマイズクレジット履歴] ボタンをクリックしてカスタマイズクレジット履歴画面でご確認いただけます。
- 現在のカスタマイズクレジット残高:「未使用 (使用可能)」は現在使用できるCC数、「使用中 (確定待ち)」は進行中の追加学習の処理で使用されているCC数です。
- 処理日時:CCが実際に付与/消費された日時
- 履歴区分:付与/消費の理由
- 変動クレジット数:増加/減少したCC数
- 適用:CCが使用された対象の機械翻訳学習サービス
- 更新者:履歴区分が「追加学習」の場合は追加学習処理を実行したユーザーのアカウント名が表示されます。「管理者付与」、「トライアル付与」の場合は固定で「SYSTEM」という文字列が表示されます。
モデル数の上限について
組織において保有中の追加学習モデルの数がすでに上限数である場合は、追加学習の実行を予約できません。以下いずれかの方法で、上限まで余裕がある状態にしてください。
- 保有中の追加学習モデルを削除する:ナビゲーションメニューの [追加学習モデル一覧] に移動し、保有中のモデルを削除してください。
- 追加学習モデル上限を増やす:モデルの削除を希望しない場合は、上限数を増やすことも可能です。お手数ですがXMATサポートの問い合わせ申込フォームでご要望いただくか、弊社の営業担当者までお知らせください。